就労継続支援B型は、利用するのにいくらかかるのかな?
実際に利用されている方はどれくらい利用料を払っているんだろう…
少しでも負担をなくせる方法があるなら知りたい。
こんな疑問を解決します。
- 就労継続支援B型の利用料金
- 就労継続支援B型を無料で利用できる場合
- 就労継続支援B型の利用をはじめる方法
就労継続支援B型のサービス利用料は、9割以上を国・都道府県・市町村が負担してくれる仕組み。
よって利用者の実際の負担額は、基本的に1割程度となります。
ただし、あなたの現在の状況によっては、無料で利用ができる場合も。
利用料があるという理由で、就労継続支援の利用を断念するのは早いかもしれません。
そこで本記事では、就労継続支援B型の利用料の概要はもちろん、無料で利用できる方と有料になる方についても解説します。
本記事は厚生労働省等の情報を参考にしています。情報は記事執筆時点で収集したものです。内容を保証するものではありません。詳しくは各自治体や事業所等にお尋ねください。
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型とは、企業での就労や通常の事業所に雇用されることが困難である方に、就労の機会や生産活動等の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練・支援を行う事業所及びサービスです。
他の就労継続支援サービスと異なり、雇用を結ばないことで比較的自由度が高い働き方ができるのも特徴です。
就労継続支援B型のサービスについては、下記ページにて詳しく解説しています。
就労継続支援B型の利用料金
利用料金は、世帯収入を含めた所得におうじて4つの区分に分けられ決まります。
なお、ひと月の利用量に関わらず、下記上限額を超える負担はありません。
区分について詳しくは下記の通り。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0円 |
一般① | 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)。 | 9,300円 |
一般② | 上記以外 | 37,200円 |
- 注1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象
- 注2:収入が概ね600万円以下の世帯が対象
- 注3:入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となる
所得を判断するときの世帯範囲は以下の通りです。
種別 | 世帯の範囲 |
---|---|
18歳以上の障害者 (施設に入所する18、19歳を除く) | 障害のある方とその配偶者 |
障害児 (施設に入所する18,19歳を含む) | 保護者の属する住民基本台帳での世帯 |
参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」
自己負担額は全体の1割!
就労継続B型利用にかかる自己負担額は、全体の1割程度です。
残りの9割はというと、お住まいの地域や利用する事業所等によって異なりますが、市区町村が補助金で負担してくれる仕組みになっています。
元の利用料金が1万円とすると、利用者が負担するのは1日1,000円となる計算です。
就労継続支援B型を無料で利用できる人
前述の4つの区分表を見ても分かる通り、以下の方は就労継続支援B型を無料で利用できます。
- 生活保護を受給している
- 世帯全員の住民税が非課税である低所得世帯
利用料は、本人と配偶者の収入で判断されます。
そのため、配偶者がいる場合は、本人と配偶者がともに住民税非課税であれば利用料が無料です。
住民税は以下のいずれかの条件を満たす場合に非課税となります。
- 生活保護を受けている
- 未成年者、障がい者、寡婦、ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下(所得が給与所得のみの場合は、給与収入が204万4000円未満)
- 前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下
単身者の場合は、年収100万円以下が住民税非課税の目安です。
就労継続支援B型の利用が有料になる人
以下に該当する場合、就労継続支援B型の利用が有料になります。
- 前年にアルバイト・パート・会社員として勤務していた
- 配偶者に収入がある
住民税は前年の収入を元に計算されます。
つまり、現在働いていなくても前年に収入があった場合は、利用料金が発生する場合があります。
また、配偶者の収入にも注意が必要。
年収が600万円以下か、以上かで負担上限額が「9,300円」か「37,200円」かが決まります。
利用料金以外にかかる費用
就労継続支援B型を利用の際、利用料金以外に以下の点で別途費用が発生する可能性があります。
- 交通費
- 食事代
- 診断書等の費用
詳しく解説しますね。
交通費
基本的に自己負担となります。
通う事業所探しの際に、自宅との距離に伴い発生する交通費は必ずチェックしておきましょう。
中には「月1万円まで交通費支給」をしてくれる事業所や自治体もあります。
食事代
基本的に自己負担です。
中には、格安でランチを提供したり、全額負担をしてくれたりする事業所もあります。
診断書等の費用
障害者手帳や障害年金証書、自立支援医療受給者証などを持っていない場合、発行の際にかかる費用は自己負担となります。
金額の目安は「5,000円前後」です。
就労継続支援B型の利用方法
就労継続支援B型の利用を決めた後、実際に利用するまでの流れはどうなるのか見ていきます。
利用申請方法は、制度やお住まいの地域によって異なる場合がありますが、基本的に下記の流れとなります。
精神科や心療内科などに通院している方は、主治医に就労継続支援B型を利用したいと伝え、利用できる状態か、必要性があるのか等の判断をしてもらいます。
実際に通いたい事業所を探します。あなたがお住まいの市区町村の障害福祉窓口で紹介してもらう方法が一般的ですが、ネットで検索する方法が一番簡単です。
気になる事業所を見つけたら、問い合わせを行い、見学・体験をしてみましょう。
実際に通うことを決めたら、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で利用申請をします。
就労継続支援B型は、国の障害福祉サービスのため、利用のためには「サービス等利用計画書」の提出が必要です。
サービス等利用計画書の作成は地域により、特定相談支援事業者が作成する必要がある場合等もあるので、事前に確認しておくとスムーズでしょう。
必要な書類を提出して市区町村の認定が下りると、受給者証(障害福祉サービス利用受給証)が発行されます。
この受給者証は、就労継続支援B型の他にも、様々な福祉サービスの利用に必要な証明書です。
B型事業所で契約の手続きを完了します。
契約完了後、通所開始です!
文章で見ると難しい作業が多そうですが、迷ったら事業所等へ聞くでOKです。
本記事のまとめ
就労継続支援B型の利用料金の利用者負担額は、基本的に1割程度。
利用料負担の上限は、最大で37,200円です。
また、生活保護受給や前年の世帯収入によっては無料で利用できる場合も。
なお、利用料以外でも下記の項目で負担が必要になるケースが考えられます。
- 交通費
- 食事代
- 診断書等の費用
あなたの状況と照らし合わせて、利用の際にいくらの負担が必要になるのかを、事前にご確認ください。