近年、YouTubeなどの動画サイトやSNSなどの発展により、動画編集のスキルは専門家のためのものだけではなく、一般の人たちにとっても身につけておきたい人気スキルのうちの一つになっています。
この記事では、
動画編集に興味があるけど、何から学べばいいかわからない
YouTubeでいつも見ているカッコいい動画を自分も作ってみたい
動画編集をなるべくお金をかけずに学びたい
そんな方の疑問に答えます。
- 無料で学べる動画編集の方法
- 有料だけど効率的に動画編集を学べる方法
- 動画編集ソフトの紹介
- 基本的な動画編集の流れの説明
動画編集というと、独学ではとても難しいのではないかという印象を持ちがちですが、やり方を工夫すれば、独学でもある程度のスキルを身につけることは可能です。
本記事では、独学でもお金をかけずに動画編集を勉強する方法について、解説していきます。
無料の動画編集勉強法
初めて動画編集を学ぶときは、まずは無料で学べるやり方がおすすめです。
これから初めて動画編集について学ぶという場合、学習にどれくらい費用がかかるのかが、まず気になるところだと思います。
また、まだ何を学べばいいかもわからないうちは、勧められるままに高い教材に手を出して余分にお金を払ってしまったり、途中で挫折してしまって出したお金が無駄になってしまうリスクもあります。
そこで、まずは無料で学べる方法を試していきましょう。
ここからは、動画編集を無料で学ぶ方法を3つご紹介します。
YouTube
無料で動画編集を勉強する方法のうちの一つ目は、YouTubeで動画編集の解説動画を観ることです。
YouTubeには、動画編集のやり方を解説している動画がたくさんあります。
「動画編集 初心者」などで検索すると、初心者向けに動画編集について解説している動画が出てくるので、調べてみましょう。
解説動画の中には、初心者向けの動画編集ソフトを紹介してくれているものや、動画編集の具体的な手順について教えてくれるものなどもあります。
自分の作りたいものに合った解説動画を参考にしてみてください。
また、YouTubeは初めに「完成した動画」そのものを研究する場所として使うこともできます。
解説動画に限らず、成果物としての動画自体をよく見ておくことで、自分が作りたい動画がどのようなものなのか、理解しておきましょう。
再生数の多い動画や、自分が観て良いと感じる動画の特徴などを見つけておくと、実際に動画を編集していく場面でも役に立ちます。
オンラインコース
YouTubeの他にもオンラインで学べる無料のコンテンツはいくつかあります。
たとえば、以下のサイトでは、動画編集の基礎について無料で学ぶことができます。
ただし、上記のいずれも、Premiere ProなどのAdobe社の動画編集ソフトをサブスクリプション契約する必要があるため、実質的には有料になってしまいます。
しかし、これらのチュートリアルは動画形式で体系立っており、それぞれのソフトに特化した具体的な操作方法の解説があるため、初心者でも理解しやすい内容になっています。
Adobeのソフトを使用すると決めている場合には、参考にすると良いでしょう。
ブログやWebサイト
動画編集を独学するうえで欠かせないのが、無料で読める解説ブログやWebサイトです。
初心者の場合は、編集画面のスクリーンショットなど、画像の多い記事だと理解しやすいのでおすすめです。
また、ブログやWebサイトでは多くの場合、YouTubeなどで見るよりも情報量が多いため、じっくり学ぶことができます。
少し動画編集に慣れてきたときに、ピンポイントで悩みを解決したいときにも、解説ブログやWebサイトが役に立ちます。
「字幕 入れ方」など、具体的に疑問を検索し、ヒットした記事をその都度読んで覚えていきましょう。
調べたい内容があらかじめわかっている場合には、このような学習方法が効率的です。
有料だけど効率的に学べる動画勉強方法
次に、有料の学習方法について紹介していきます。
無料の方法で動画編集について学ぼうとしたけれどうまくいかなかった人や、もっと詳しく学んでみたい人、とにかく効率的に学びたい人には、有料の方法で学ぶという選択肢もあります。
Udemy
動画編集を有料のコンテンツで学ぶ方法の一つに、Udemyを利用する方法があります。
Udemyは全世界で利用されている動画教材のプラットフォームであり、動画編集に関する教材も多くあります。
Udemyで学ぶメリットはまず、プロによる講義であるため実践的スキルを学べるということです。
加えて、動画教材なので本やブログで学ぶのが大変だという人にとっても理解しやすくなっています。
また有料ではあるものの、動画編集のスクールで学ぶ場合に比べて比較的低価格で受講することができるというのもポイントです。
オンラインスクール
動画編集を学ぶうえで、方法として最もわかりやすいのは、専門のスクールで学ぶということです。
スクールで学ぶには入会金や受講料などで費用がかかりますが、その分、体系だったカリキュラムや、プロの講師による指導で効率的に学ぶことができます。
スクールによっては、メンターやキャリアサポーターなど、講師以外のスタッフによる支援を受けることができたり、就職の相談に乗ってもらえることもあります。
他にも、専門の講師がいるため、学習を進めるうえで疑問が出てきた時でも質問がしやすかったり、同じスクールの仲間や講師との出会いから人脈が広がるというメリットもあります。
無料の動画編集ソフトウェア
ここからは、無料で使える動画編集ソフトの紹介をしていきます。
まずは無料のソフトを使って、動画編集の基本的な感覚を身につけていきましょう。
DaVinci Resolve
DaVinci Resolveは、オーストラリアのBlackmagic Designによって開発された映像編集ソフトです。
本来はプロ向けの業務用ソフトですが、一部の機能だけは無料で使えるようになっていて、Resolve FXとよばれる50種類以上のエフェクトやツールを使うことができます。
将来的に映像のプロを目指しているけど、まだお金はかけられないという人が、試しに使ってみるのにおすすめです。
Adobe社のPremiere Pro と使い心地や機能が似ているため、将来的にPremiere Proを使ってみたいという人は、試してみるといいかもしれません。
有料版は買い切り型のため、サブスク型のように支払いを続けなくて済むことも、メリットといえます。
公式サイト: DaVinci Resolve 18 | Blackmagic Design
対応OS: Windows / macOS / Linux
日本語対応済み
広告なし
HitFilm Express
HitFilm ExpressはイギリスのFXhome Ltdによって開発された無料の動画編集ソフトです。
どちらかといえば、初心者よりもプロ向けの高機能なソフトといえます。
高品質なエフェクトやプリセットが多く利用でき、3Dファイルの読み込みにも対応しています。
時間制限や動画にロゴが入ることもありません。
また、作った動画は直接SNSにアップロードすることができます。
無料ですが、使用する際には、アカウント作成やライセンス認証が必要な点には注意しましょう。
無料版には機能制限があるため、動画の用途によっては対応できないこともあるので注意が必要です。
公式サイト: Download HitFilm – Free Video Editing Software – FXhome
対応OS: Windows / macOS
日本語対応なし
広告なし
Lightworks
Lightworksは初心者から経験者にまで愛用されているフリーの動画編集ソフトで、開発から二十五年の歴史があります。
無料素材が多く内蔵されており、100種類以上のエフェクト・カラー補正、ロイヤリティフリーのミュージックを使用することができます。
YouTubeなどの動画ファイルはもちろん、高解像度のファイルにも対応しています。
しかし、高機能な分、まったく基礎知識のない人には難しく感じられる部分もあるかもしれません。
また、ソフトの日本語化については、公式のやり方がうまくいかないことがあるため、有志の作成した方法を調べるのがおすすめです。
公式サイト: Lightworks
対応OS: Windows / macOS / Linux
日本語化可能だが、公式の方法でうまくいかないことがあるため、有志作成の日本語化パッチ使用がおすすめ
広告なし
Shotcut
Shotcutは有名なオープンソースソフトウェアで、動画の切り出し・結合や、音楽ファイルの合成、画像ファイルを組み合わせたフォトムービーの作成なども簡単にできます。
MP4 / MKV / WebMなど160種類以上のフォーマットの読み込み・書き出しにも対応しています。
無料で使えるにも関わらず、完成したロゴが入ったり、追加費用がかかることはありません。
また、時間制限がなく、エフェクト等の様々な機能を使うことができます。
デメリットとしては、慣れるまで操作が難しいことと、日本語でのサポートがないことが挙げられます。
使い方がわからない際や、なにかトラブルがあった際には、英語のサイトを参照する必要がある点に注意しましょう。
公式サイト: Shotcut
対応OS: Windows / macOS / Linux
日本語のサイトなし
広告なし
プロも使っている有料の動画編集ソフトウェア
ここまで、無料で使える動画編集ソフトについて解説してきました。
しかし、無料版だけでは扱える機能が制限されていることも多いため、動画編集に慣れてきたら、有料のソフトにグレードアップするというのも一つの手です。
ここからはプロも使っている有料の動画編集ソフトについて紹介していきます。
Adobe Premiere Pro
Adobe社のPremiere Proは非常に人気の高いソフトで、案件を依頼される際にこのソフトのデータを指定するクライアントも多くいます。
テンプレートが豊富なため、多くの種類のトランジションやエフェクトなどを使用することができます。
さらに、動画の音声を自動でテロップ起こしできる機能などで、編集の省力化もはかれます。
使用している人が多いので、何かあったときにトラブルを解決しやすいというのもメリットの一つです。
Final Cut Pro
Final Cut ProはApple社によって開発されたMac専用のソフトで、プロまで使える高機能を備えています。
同じApple社が無料で提供しているiMovieが個人向けで機能が少ないのに対して、Final Cut Proではテロップの位置を自由に調整できたり、エフェクトやトランジションの種類が多くあります。
Apple社のAir Dropの機能を利用すれば、iPadやiPhoneなどの製品同士の連携が簡単にできるため、ファイル形式などを気にせずに動画のやりとりをすることができるという利点があります。
ユーザーが多くいるため何かあった際のトラブル解決がしやすいということや、買い切り型のため、長く使う場合の費用が抑えられるというのもメリットです。
Filmora
Wondershareが開発したFilmoraは、動画作成が初めての人にもわかりやすい操作性が人気を集めています。
基本的な操作が直感的にできるようになっており、初心者向けのソフトといえます。
無料で使えるトランジションやエフェクトの種類が豊富で、おしゃれなものからポップで可愛いものまで、いろいろなテイストの動画を作ることができます。
結婚式のフォトムービーや旅行の思い出の動画など、個人的な用途にもおすすめです。
作成した動画にはロゴが入ってしまいますが、無料体験版もあるため、気軽に試すことができます。
有料のFilmstockを使用して、追加機能を購入することもできます。
2018年より商用利用が可能になったため、プロの動画編集者が仕事で使うこともできるようになりました。
はじめに覚える動画編集の基本スキル
ここからは、具体的な動画編集のやり方について、一番最初に覚えておくべき基本的なことを説明していきたいと思います。
基本的な動画編集の流れ
まずは、基本的な動画編集の流れについて説明していきます。
動画編集の作業は、一般的に以下のような手順でおこなっていきます。
- 作品イメージを固める
- 元になる動画を準備する(撮影する)
- ファイルを読み込む
- カットとトリミング
- エフェクト(動画の初めと終わり、シーンの切り替え)を追加する
- タイトルやテロップなどの文字を挿入する
- BGMを追加する
- 全体に仕上げの調整をおこなう
- 書き出し
- 公開する
このうち、動画編集ソフトでおこなうのは、3〜9の工程になります。
今回は簡単に、基本的なスキルである「4. カットとトリミング」〜「7. BGMの追加」までを説明します。
カットとトリミング
まず、「カット」と「トリミング」について説明します。
「カット」も「トリミング」も、どちらも動画の一部を切り取って、不要な部分を削除するための作業です。
YouTubeなどでよく再生される動画では、一つの動画素材だけでなく、複数の動画が組み合わされることで内容が構成されています。
動画をテンポよく見やすいものにするためには、素材の中から必要なシーンだけを抜き出して、それらを組み合わせていく必要があります。
そんなときに、この「カット」と「トリミング」を使って動画素材の見どころだけを切り取る作業をおこなうのです。
カット(分割)とは
カットとは、一つの動画に切れ目を入れて、複数のシーンに切り分ける機能をいいます。
ケーキのカットや、美容室での髪の毛のカットをイメージするとわかりやすいです。
分割された素材は、不要な部分を消すこともできますし、間に別の素材を挿入することもできます。
トリミングとは
トリミングは、動画の前と後ろを切り取る機能です。
ケーキでいえば、四角いケーキの両端を切り落として、真ん中の部分だけを取り出すイメージです。
あくまで真ん中を取り出す機能なので、真ん中だけを削る、ということはできません。
真ん中の部分だけを消したい場合は、カット機能を細かく使っていきましょう。
エフェクト
動画のカットやトリミングが終わったら、今度は動画に「エフェクト」をかけていきます。
この時点でかけるエフェクトには、動画の一番初めと終わりにかけるものと、動画と動画のシーンの切り替えの場所に追加するものがあります。
それぞれ解説していきます。
動画の前後のエフェクト(フェードイン・フェードアウト)
まずは動画の一番初めと一番後ろにかけるエフェクトについて説明していきます。
動画の始まる時に、画面が徐々に表示されてくるものを見たことがあるのではないでしょうか?
これを「フェードイン」といいます。
逆に、動画の終わりで、画面が徐々に消えていくものを「フェードアウト」といいます。
フェードインとフェードアウトは、視聴者に対して、動画の始まる前の心の準備の時間を与えたり、動画の余韻を残すために使われます。
動画の見せ方の一つとして、覚えておくとよいでしょう。
シーンの切り替えのエフェクト(トランジション)
動画と動画の間に、切り替えの時間をつくるエフェクトを「トランジション」といいます。
フェードインやフェードアウトのときと同じように、画面が少しずつ次の動画のシーンに切り替わるものや、ページをめくるような動きをするものもあります。
トランジションをいれることで、動画と動画のつなぎ目を自然にし、視聴者に気分を切り替える効果を与えることができます。
動画にメリハリを作るという意味でも、トランジションの入れ方は大事なポイントです。
テキスト(タイトルやテロップ)の挿入
多くの動画の中で、映像の上に文字が表示されています。
初めに動画のタイトルを表示したり、動画で話している内容にテロップをつけたりすることで、動画の内容をわかりやすくする効果があります。
YouTubeなどには自動字幕機能もありますが、まだ質が不十分で、間違った言葉が表示されてしまうこともあります。
そこで、自分でテキストをタイミングよく動画に挿入する必要があります。
表示するテキストのタイミングやフォントなどのデザインによって、その動画が視聴者に与えるイメージは大きく異なります。
また、テキストを挿入することで、耳の不自由な方にも動画を楽しんでもらうことができるようになるというのも、大切なことです。
BGMや効果音を追加
BGMとは「バックグラウンドミュージック」の略です。
動画を再生している時に、同時に流れる音楽のことを指します。
また、動画をわかりやすくしたり、楽しませる意図を持って効果音を入れることもあります。
音には人の気持ちを動かしたり、動画の印象を左右する効果があるため、BGMや効果音を適切に選択することで、どんな動画にするのかを決めていくことができます。
実践を通してマスターする
ここまでは、身につけるべきスキルを中心に解説してきましたが、動画編集のスキルは実践をおこなっていくことで、少しずつ身につけていくことができます。
とりあえず作ってみる
動画編集のスキルを身につけるためには、まずは何より、実際に作ってみるということが必要です。
簡単な作品でいいので、最後まで通して一つの動画を作ってみましょう。
初めに難しいものに手を出してしまうと、途中で嫌になって挫折してしまうことがあります。
せっかく動画編集を学び始めたのに、そうなってしまってはもったいないので、まずは他の人の動画を真似をして、同じような動画を作りましょう。
オリジナルの作品を作るのは、そのあとでもいいのです。
まずは一つの動画を作り、それを何回も繰り返していくことで動画編集ソフトの操作方法を覚えたり、人に見てもらえる動画を作っていくことができるようになります。
成果をアウトプットする
動画ができたら、その成果をアウトプットすることが、上達への近道です。
楽器の演奏や、スポーツに例えるとわかりやすいかもしれません。
たとえば、ただ一人きりで基礎練習をしているより、演奏会や試合の本番で、他の人に見られる場所でおこなうことにより、より良い成果を出そうという意識が働きます。
完成した動画を、まずは家族や友人など、身近な人に見せれば、率直な感想をもらうことができて、それをもとに改良することもできます。
また、少し慣れてきて自信がついたら、YouTubeなどの動画投稿サイトにアップしてみましょう。
不特定多数の人の目に触れることで、さらに質の高い動画を作っていけるようになります。
まとめ : まずはチャレンジしてみよう!
今回は、動画編集を独学でマスターするためのコツについて、ご紹介してきました。
動画編集のスキルは、一朝一夕に身につくものではないですが、まずは作ってみることで、感覚をつかんでいき、少しずつ目標とする成果物に近づけることができます。
これを機会に、思い切って動画編集にチャレンジしてみてください。