何かをするときに、つい他人の目が気になってしまう。
周囲に反対されると、やりたかったことでもできなくなってしまう……。
人目を気にしすぎてしまう。そんな悩みを抱える方は、少なくありません。
- 人目があると何もできなくなってしまう
- 他の人の反応が気になって、やりたいことをやれない
- 人前だと緊張してしまう
- 人目を気にしすぎてしまう原因
- 人目を気にしすぎることで起こる問題
- 人目を気にしないようにする方法
本記事では、そんな人目を気にしすぎてしまう方のお悩みに答えていきます。
人目を気にしすぎる原因
人目を気にしすぎてしまう心理は、いったいどこから来るのでしょうか?
少しずつ考えていきましょう。
自己評価が低い
人目を気にしてしまう人は、まず「自己評価が低い」ということが考えられます。
自己評価が低い人というのは、自分自身のことを過小評価してしまいがちです。
「自分には価値がない」などと思ったり、自分の能力について「どうせ自分なんて何もできない」などと思ったりしていませんか?
自己評価が低いと、自分の判断に自信が持てないため、自分ではなく他人の評価軸を当てにするようになります。
そのため何をするにしても、自分がどうしたいかということよりも、他の人の反応が気になるという状態に陥りやすくなります。
人間関係のプレッシャー
また「人間関係のプレッシャー」も、人目を気にしてしまう原因の一つです。
周囲の人たちから向けられる期待が大きすぎたり、あるいは人間関係そのものに不安を感じている場合がこれに該当します。
何かをするときに、
こんなことをしたら、がっかりされてしまうんじゃないだろうか……
こんなことを言ったら、嫌われてしまわないかな……
なんてことが、頭に浮かんだりしていませんか?
自分が行動して失敗することで周囲をがっかりさせてしまうのではないか、といった不安や、こんなことを言ったら嫌われてしまうのではないか、といった不安があるために、自分の言動によって他の人がどう反応するのかを気にしすぎてしまうと考えられます。
人目を気にしすぎる問題
では、人目を気にしすぎることで、どのような問題が生まれるのでしょうか?
コミュニケーションの難しさ
人目を気にしすぎていると、まず、他の人とのコミュニケーションが難しくなってしまいます。
人と会話をする際に、自分の話し方や表情・態度が気になったり、相手にどう思われるかばかり気になってしまうため、会話の内容に集中することができなくなります。
また相手の評価によって対応を変えていると、言動が自分自身の本当に言いたいことややりたいことと食い違ってしまうため、不自然な印象を与えてしまいます。
そのため、「こちらの話をちゃんと聞いていない」「何が言いたいのかわからない」と思われてしまい、かえってコミュニケーションがうまくいかなくなってしまうことも起こり得ます。
自己肯定感が低下
また、人目を気にしすぎることにより、自己肯定感が下がってしまいます。
人目を気にしすぎていると、つい他人のことばかりに注目してしまうため、他の人の良いところばかりが見えます。
そのため、つい他人の長所ばかりを自分と比較してしまい、自分に自信がなくなってしまいがちです。
さらに、人目を気にしすぎると、かえってコミュニケーションが失敗してしまうことも多くなります。
そのため、その経験から「自分はなんてダメなんだ」と自分を否定してしまうことが増え、結果として自己肯定感が低下してしまうことになるのです。
人目を気にしない方法
では人目を気にしないようにするためには、どうしたらよいのでしょうか?
自分を受け入れる
人目を気にしないようにするためには、まず「自分を受け入れる」ことが必要です。
人目が気になりすぎる人は、基本的に自己肯定感が低いことが多いです。
今までにコミュニケーションで失敗してしまったり、人から嫌われてしまった経験から、自分を否定する気持ちが強くなっているのかもしれません。
そんな人にとっては「自分を受け入れる」というのは、難しいことのように感じられると思います。
しかし、初めから失敗しない人間も、欠点のない人間もいません。
もしなにか失敗してしまっても、自分を責めずに「〇〇はできなかったけど、△△はできた」というように、自分自身にプラスの言葉を与えてあげましょう。
そうしていくことで、少しずつ、自分を受け入れることができるようになっていきます。
リラックスする方法
次に、「リラックスする」ということも大事です。
人目を気にしている状態のとき、緊張で肩に力が入っていませんか?
慣れない場所であったり、よく知らない相手と話すときなどは、誰もが緊張してしまうものですが、そんなときは、大きく深呼吸をしてみましょう。
肩をまわして軽くストレッチをするのも、おすすめです。
身体が緩むと、心も一緒に緩んでくることが多いです。
ネガティブな感覚に飲まれそうになったときは、このように身体を少し動かしたり、好きな音楽を聴いたり、好きな香りを嗅ぐなど、自分自身が心地よいと感じるものを取り入れていきましょう。
心地よい感覚でリラックスできれば、人目が気になるという状態から、うまく気を逸らすことができるようになります。
他人と比べない
さらに、「他人と比べない」ということも大切です。
人目が気になってしまうのは、他の人と自分とを無意識に比較してしまう心の現れです。
他人の良い面ばかりが見えて、自分の悪い面ばかりが気になるようになっていませんか?
人にはそれぞれ良いところもあれば、悪いところもあります。
見えていないだけで、他の人にも苦手なことや悪いところはたくさんあります。
また逆に、自分では大したことないと思っていても、あなたにも他の人からしたら、「すごい!」と思われるような長所もあるかもしれません。
他人と比較すればするだけ、どんどん他人のことが気になるようになってしまうので、自分と他人を比べて一喜一憂するのはやめましょう。
人目を気にしすぎる心のサポート
ここからは、人目を気にしすぎてしまう人のための心のサポートについて考えていきます。
信頼できる友達や家族と話す
人目を気にしすぎてしまって、苦しい気持ちになってしまったときには、信頼できる友達や家族と話すことで心が楽になることもあります。
信頼できる人に話を聞いてもらうことで、自分の気持ちを整理することができたり、安心感を得ることができるでしょう。
また、友達や家族からアドバイスを受けることで、新しい視点を得ることもできます。
思い切って話してみると、悩んでいるのは意外と自分だけではなかった、ということもあるかもしれません。
カウンセリングを受ける
家族や友達には話しづらいという場合や、自分の思いを言葉にするのが難しいという人の場合は、専門家によるカウンセリングも効果的です。
人目を気にしすぎてしまう人の中には、過去の嫌な出来事や辛い体験の影響が強い場合もあります。
カウンセリングでは、人の心についての専門知識を持ったプロがじっくりと話を聞いてくれます。
あなたの気持ちや状況に合わせて、専門的な見地からアドバイスをもらうこともできるので、より問題を解決しやすくなるでしょう。
セルフヘルプの本を読む【おすすめをご紹介】
人目を気にしてしまうお悩みに関連する本を読んでみるのもよいでしょう。
いくつかおすすめの書籍をご紹介します。
いちいち“他人”に振り回されない心のつくり方(中島美鈴)
この本の著者の中島美鈴さんは、「認知行動療法」を専門とする臨床心理士の方です。
認知行動療法とは、現在抱えている問題を明らかにして、その人の考え方や行動などを少しずつ変えていくことで、問題の解決を目指す心理療法のことです。
この本では、その認知行動療法の考え方をもとにした、生活上のヒントが学べます。
日常生活で不安を抱えている方や、人間関係に悩んでいる人にとって役に立つ内容になっているので、他人のことばかり考えてしまって困っている方におすすめです。
あれこれ考えすぎて“動けない人”のための問題解決術(倉成央)
著者の倉成央さんは、株式会社メンタルサポート研究所の代表をしている臨床心理士の方です。
この本は、自分の考え方の基盤を直す方法が書かれた内容となっています。
思いついたことをすぐに実行していける人と考えすぎてしまって行動できない人との違いや、行動のブレーキになっている心配や不安を取り払う方法が解説されています。
行動することが楽しくなってくる一冊で、日常生活で心配や不安を抱えてしまいやすい方におすすめです。
気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント(内藤誼人)
著者の内藤誼人さんは心理学者で、社会心理学の知見をベースにした心理学の応用について研究している方です。
この本では、人の目が気になるのは「スポットライト効果」のためであるとして、周りの人は自分が思うほど自分を見ていないことを指摘しています。
緊張しているときの対処法や、嫌な感情の洗い流し方についても触れており、現実を捉え直すヒントが書かれています。
周りからの評価や、他人の何気ない一言を気にしてしまいがちな人におすすめです。
まとめ:人目を気にしてしまう自分を受け入れよう!
今回は、人目を気にしすぎるお悩みについて、解決法をご紹介してきました。
人目を気にしすぎる悩みは、すぐには解決できるものではないかもしれませんが、まずは人目を気にしてしまう自分のことを受け入れながら、少しずつ変わっていけるといいですね。
焦らず、一歩一歩進んでいきましょう。