なんだか気疲れする日々が続いている…
もっと楽に生きられたら…
そう思うことはありませんか?
なぜ「生きるのが大変だ」、「苦しい」、「気楽に生きられない」とあなたが感じるのか、この記事ではその可能性を一つずつ解説していきます。
記事を読み終える頃には自分の中の「息苦しさ」の原因を、そっと離れたところから見つめることが出来るようになっているはずです。
そして、気楽に生きるための思考の癖を身につける準備が整うことでしょう。
この記事は、メンタルヘルスにも詳しい社会福祉士と、障がい福祉サービス管理責任者が監修しています。
筆者は認知行動療法に取り組み、自身のうつ病を快方に向かわせたライターです。
- Kokai Takahito
社会福祉士。現在は就労継続支援事業所B型sizeのスタッフとして働く。
- Takashi
サービス管理責任者。現在は就労継続支援事業所B型sizeの施設長として働く。
気楽に生きるとは?自分が今どんな状態か知る
人に気を遣いすぎてしまう、他人と自分を比べてしまう、ネガティブ思考がやめられない、完璧主義で息抜きが苦手…どれも楽に生きることを阻んでしまう悩みですね。
そもそも、気楽に生きるとは何でしょうか?
例えば、無理をしてしまう状態は、気楽に生きることとは程遠いですよね。
上に挙げた悩みは、ありのままの自分を受け入れられない、ついつい無理をしてしまうという意味を含んでいました。
つまり、
「飾らずありのままで無理をしないでも平気な状態」=「気楽に生きる」 ということではないでしょうか?
あなたは今、職場や学校で無理をしていませんか?
自分の今の状態を思い起こしてみてください。
就労継続支援B型利用者17人に聞いた「気疲れしたなあ」と思うのはどんな時?
今回は、障がい福祉サービスである就労継続支援B型事業所「size」利用者17名に、実際にアンケートをとってみました。
集計方法:Googleアンケート
集計人数:18人
集計対象:就労継続支援B型事業所の利用者
集計日時:2022年12月7日~12月8日
今回のアンケートでは、人間関係の悩みが多くなりました。
「自分の言いたいことを言えない」のは、強いストレスとなるのかもしれませんね。
また、慣れない環境からのストレスなども刺激になってしまうようです。
毎日「我慢をして」過ごすと、「もっと気楽に生きたい」という気持ちが生まれていくのも納得がいきます。
では無理をせず、ありのままで気楽に生きるためにはどのような方法があるのでしょうか?
気楽に生きられず、つらくなるのはなぜ?
そもそも楽に生きられないことにつらさを覚えるのは、「こうでありたい自分」と「今の状態」が遠くはなれてしまっているから、かもしれません。
今あなたがいる場所がどん詰まりのマイナス地点だとしたら、まずはマイナスを少しでも減らすことを検討してみてください。
一気にプラスまで元気になろうとするのではなく、仮に-5の元気度なら、まずは-4を目指して心を楽にしていきませんか?
自分から見た自分、他者から見た自分
さて、ここでありのままで生きるためのエクササイズをしてみましょう。
このエクササイズは、親しい人と二人でお互いに試してみると自分の新たな一面を発見することができるのでおすすめですよ。
あなたは自分のことをどんな人間だと思っていますか?
例えば、私なら「キャパオーバーしがちだけど、頑張り屋」なんて風に思うかもしれません。これは、こうでありたい自分+自分ってこのくらいかな?という自己評価ですね。
心の中で自分のイメージが決まったら、他の人にも自分のイメージを聞いてみましょう。
ちなみに実際に、知人のTさんに私はどんな風に見えるのか聞いてみました。
・人の気持ちを理解する(理解しすぎることもあるかも…?)
・気持ちが強い(でも、メンタルや体調が追い付かないことも…?)
・シンプルにすごくいい人
だそうです。気持ちが強い、の項目では、自己評価と他者評価が結びついているように見えますね。自分自身では気づいていない自分の良いところも発掘できてうれしい企画でした。
職場や学校で、自分のイメージを縛ってはいないでしょうか?
次の章では閑話休題、無理をせずにありのままでいることのメリットを紹介していきます。
無理をせずありのままの姿でいるとどんな良いことがあるのか
もしかすると「本当の自分を知られたら、嫌われてしまう」と思うかもしれません。
そして自己肯定感を育むことに繋がっていくのではないでしょうか?
それによってモチベーションが上がれば、なおうれしいですよね。
自分を苦しめる方向へ頑張るのは、やめてみませんか?
楽に生きる具体的な方法
今回は筆者が実際に試し効果のあった3つの方法を選りすぐってご紹介します。
認知を変えてみる
楽に生きるためには、物事の受け取り方を柔らかくしてあげる方法があります。
これは心理学でいうところの「認知を変える」ことを指します。
例えば自分を責めすぎてしまう人は、「自分は人よりも劣っている」と思いこんでいないでしょうか?
これは「ずれた認知」という色眼鏡をかけているから、起こることです。
他にも、「上司は仕事ができるべきだ」という色眼鏡をかけていたら、上司がミスをすると「なんでできないんだ」と怒りが湧く。「自分は何もできない」という色眼鏡をかけていたら、少しのミスでも過大に受け取りより落ち込んでしまう。
いつもの自分の自動思考パターンに気づいたら「あ、今自分の考え方の癖が強めに出ている」と意識して、頭に浮かんだ自動思考に「と、思った」を付け加えてみてください。
例えばこんな感じです。「私っていつもダメだ、と、思った」
これは、認知行動療法に3年以上取り組んだ筆者が書籍や、担当の精神保健福祉士から学んだ方法です。
参考図書:自分でできるスキーマ療法BOOK1
自分でできるスキーマ療法BOOK2(伊藤絵美)
ただし認知を正していく際に、一つ気を付けることがあります。ここで問題としていくのは、自分の認知であって、自分ではないということです。
セルフワークに取り組む中で、自分を責めてしまう場合は一度何のためにワークに取り組んでいるか考えてみましょう。
あくまでも自分を楽にするために行っていくのが得策です。
自分や他者に求めすぎない
自分や他者に求めることは、人生を向上させていくうえでも必要なことですが、それが度を越してしまうとどうなるでしょうか?
自分に求めすぎると目標のハードルが高くなり、窮屈になってしまいます。
人に求めすぎてしまうと、あの人はいつも要求が多い、と煙たがられてしまうかもしれません。
「求めすぎる」の根本は、「こうであるべきなのに」という自分ルールがあまりにも強いことだと思います。
例えば怒りすぎてしまう人は、他者に「~であるべきなのに」というルールを押し付けてはいないでしょうか?
他者にも自分にもそこまで求めないことを徹底してみると、結局のところ人間ってこんなものだよね、と寛容になれるかもしれませんよ。
そして、
過剰に求めないということは、自分も相手にも優しく、もっと言えば何かミスをしたときにも気持ちを穏やかにできる秘訣でもあります。
楽に生きる自分を許してみる
自分のキャパシティを多く見積もると、人に合わせすぎてしまうことがあります。「〇〇しなきゃ、ダメだ」というルールのもと、自分の希望や意見を言えない、我慢をしてしまうなんてことはないでしょうか?
そんな日々が長く続くと、心は疲れてしまいます。
たまには「〇〇できなくても良いよ」と自分を許す理由を探してみませんか?
ありのままの自分を受け止めることは、心理学では「自己受容(じこじゅよう)」といいます。
自己受容ができるようになると、自己肯定ができるようになっていきます。
自己肯定感を上げるために、自分の小さな成功に気づき自分を褒める癖をつけてみませんか?
例えば「朝に起きられた」それだけ、と思うかもしれませんが、その積み重ねはとても大事な成果です。
不安な気持ちがあったら、無理に元気を出そうとしないで、「今不安なのかもしれない」と自分の気持ちを受け止めてみませんか?
そうすることで今の自分の状態を再確認することができます。
自分の今までの記憶や体験や他者からの評価、それを一度手放し、自分の気持ちと体の五感に意識を向けてみましょう。これは、マインドフルネスといわれるものです。
楽に生きるために役立つもの
生きづらさを感じていると、実際の現状よりも悲観的になってしまったり、焦ったり、イライラしてしまいますよね。
そんな自分が嫌で、暗い気持ちでいると、さらにミスが重なってしまい焦り……負のループに陥りがちです。
自己嫌悪がひどくなってしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな状態を和らげるための方法をご紹介します。
自分なりのストレスの発散方法を知っておく
あなたがつらいとき、ほっと心癒されるものは何でしょうか?
筆者であれば、人と話す、趣味の鉱物を眺める、写真を撮る、など様々です。
自分の心を楽にするアイテムや行動、空間などのことを、心理学的にコーピングと呼びます。
これは私が以前作成したコーピングリストです。
例えばストレスがたまると煙草をよく吸う人、お酒を飲む人は、手持ちのコーピングが少ないのかもしれません。
引き出しの中にたくさんのコーピングを持っておくと、「○○を試してダメだったから、次はこれを試してみよう」と前向きにトライしていくことができます。
就労継続支援B型利用者18人に聞いたストレスの発散方法
今回は筆者が所属する就労継続支援事業所B型Sizeの利用者さん18名にストレスの発散方法についてのアンケートを採ってみました。
集計方法:Googleアンケート
集計人数:18人
集計対象:就労継続支援B型事業所の利用者
集計日時:2022年12月7日~12月8日
皆さん自分なりのストレスの対処法を持っていました。
あなたの心を安らかにしてくれるものは何でしょうか?
良かったら考えてみてくださいね。
自分が今日できたことを小さなことでも書き出してみる
これは、上記で記載した「自己受容」をするために効果的な方法です。
なんでもないこと、誰でもできること、そう思っても意外と一日にパワーを使うことはあるものです。
朝起きる、夜眠れた、自分なりの生活リズムを守ることができても大成功、人と頑張って話した、うまく話せなかったけれど乗り切った、それでも大成功。
これは、自信や次の目標を立てる指標になっていきます。
悩みを打ち明けてみる
上記のストレスの発散方法アンケートにも、「人に相談する」ことがあがっていましたね。
悩みを人に話すと、客観的に問題を見つめることができます。
もしも悩みの内容があまりにも深刻な場合は、次の項で紹介する専門機関への相談も検討してみてくださいね。
専門機関に相談してみる
一口に専門機関といっても、その種類は様々です。
・電話相談
・メンタルクリニック
・カウンセリング
例えば電話相談では、アクセスが集中しているために繋がりにくいデメリットがあります。
メンタルクリニックやカウンセリングでは、お金がかかるということが気がかりな方もいらっしゃると思います。
ちなみに筆者は埼玉県こころの健康センターで、保健士さんに5年間対面相談をお願いしていた経験があります。
就労継続支援事業B型Sizeがある埼玉県こころの健康センターでは、予約不要の電話相談を受け付けていますよ。
自分の価値観を形成するものは何か考えてみる
あなたの価値観はどのようにできているか、考えたことはありますか?
日々の生活で自分の気持ちを押し殺していると、押しやられた気持ちに次第に気づきづらくなっていきます。
この記事を読んでいる方は、日々の生活で多くの我慢をしていることかと思います。
自分が何を好み、何が好まないのか。そしてそれらはどんな出来事が理由となっているのか?
自分のルーツを遡ることで、意外な自分の「こだわり」が見えてくるかもしれません。
例えば、子どもの頃から兄弟の面倒を見ていた人は、弱いものは助けなければならない、とこだわっているかもしれないし、それによって部下をフォローしない上司に落胆を覚えるかもしれません。家族の中で父親が怒るとみなが言う事を聞いていた、ということを経験した人は、大人になった今でも「解決手段」に怒りを使ってしまいがちかもしれません。
自分の価値観(考え方のこだわり)を理解したあとだと、なにか自分にアクシデントが起こっても俯瞰的な立ち位置から出来事を見つめることができるはずですよ。
考え方の癖、生きる上で困ってしまう自分の価値観はどうやって形成されたのか、ということを知りたい方はスキーマ療法の導入本でもあるこちらの本もおすすめです。筆者も何度も読み返しています。
参考図書:心の体質改善 スキーマ療法自習ガイド
まとめ:楽に生きる方法
ここまでお読みくださりありがとうございます。
気楽に生きるためには、自分の特性や今置かれている状況を正しく理解することが大切だということが見えてきましたね。
ありのままで無理をしないでいられる状態が、気楽に生きるということなのかもしれません。
気楽に生きる力を、ぜひこの記事で紹介した方法で鍛えてみてくださいね。
楽に生きる方法がなかなか見つからないからと言って、焦る必要はありません。
それでも少しでも心を楽にする方法を試しながら、まだマシな方法を探していきましょう。
まだマシな選択を意識するだけでも、マイナスだった状況がゼロまでは回復するかもしれません。
ゼロになったらそれを安定的に維持する方法を見つけていき、プラスにもっていくのはそれからでもいいのではないでしょうか。
この記事はあくまでもあなたの心に寄り添う目的で、筆者の実体験に基づき執筆されています。
もしリストの内容を実行する場合には、適切なアドバイザーを見つけてくださいね。
少しでもあなたの心が楽になりますように…!
監修 社会福祉士(Kokai Takahito)
障害福祉サービス管理責任者 (Takashi)