就労継続支援A型事業所を利用するには、いくらかかるんだろう?
無料で利用できる場合があるって本当?
自分が利用できるか知りたい。
こんな疑問を解決します。
就労継続支援A型は、一般企業での就労が難しい障がいや難病を持っている方が自身の障がいや体調に合わせて、働くことができる障害福祉サービスの1つ。
B型と違い雇用契約を結び働くことができるのも特徴です。
今回は、就労継続支援A型サービスの概要の中でも、利用料について徹底解説します。
ご状況によっては無料で利用できる場合もございますので必ずチェックしましょう。
- 就労継続支援A型の利用料
- 無料で使える方の条件
- A型の利用料金以外にかかる費用
- 就労継続支援A型の実働時間と賃金
就労継続支援A型とは?
就労支援A型とは、一般企業での就労が難しい障がいや難病を持っている方が自身の障がいや体調に合わせて、働くことができる障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの1つ。
利用者と事業所が雇用契約を結ぶことによって、原則として最低賃金を保証できる「雇用型」の障害福祉サービスとして位置づけられています。
雇用契約を締結しているため、社会保険や労働関係の法令も一般労働と同様に適用されます。
期間は無制限で受けられますが、最終的には一般就労への移行を目指すという位置づけにもなっています。
就労の機会を提供しつつ、一般企業への就労に必要なスキルや能力の向上のための訓練や、社会的スキルの向上、その他必要な支援を行うことを目的としています。
利用対象者を含め、詳細は以下ページもご確認ください!
就労継続支援A型の利用料は?
就労継続支援A型は、雇用契約を結んで働きますが、障害福祉サービスの一環なので利用料がかかり、前年度の世帯年収によって決まります。
利用料金は厚生労働省によって定められており、9割を市区町村が補助金で負担し、1割を利用者が就労移行支援事業所に支払います。
ただし、実際の本人の負担額は所得に応じて4区分に負担上限額が設定され、ひと月に利用したサービスにかかわらずそれ以上の負担はありません。
それぞれの負担上限額は以下のようになっています。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限額/月 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(おおむね年収300万円以下)(注1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)(おおむね600万円以下)(注1)※20歳以上の入所施設利用者及びグループホーム利用者は除く(注2) | 9,300円 |
一般2 | 上記以外※20歳以上の入所施設利用者及びグループホーム利用者 | 37,200円 |
※(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合
※(注2)20歳以上の入所施設入居者及びグループホーム利用者は、額にかかわらず市町村民税課税対象世帯の場合負担上限額は37,200円となります。
参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」
就労継続支援A型を無料で使える場合
就労継続支援A型を利用する場合、基本的に利用料が必要になりますが、利用料が無料となる場合があります。
上記の表にもあるように、生活保護世帯、市町村民税が非課税の場合は利用料が無料になります。障害年金をもらっている場合でも、障害年金は非課税なので利用料は無料です。
年収金額は世帯人数によって違ってきます。前年度の年収によって区分が決まりますので、収入が大きく変わった場合、区分が変更することもあるのでご注意ください。
このように収入によって負担金が変わりますが、実際には約9割の方が無料で利用しています。
就労継続支援A型が有料になる人
反対に有料になる人はどんな人でしょうか。
それは、
自身も含めた世帯に収入があり、市町村民税が課税となっている方です。上記の表の一般に当たる方たちです。一般区分も2つに分かれており、所得割16万円未満の方は一般1で9,300円、それ以上に収入のある方は一般2の区分で37,200円の負担金がかかります。
ここで気を付けなくてはならないのは、20歳以上の入所施設利用者及びグループホーム利用者の方。
この方たちは市町村民税課税世帯の場合、課税金額にかかわらず区分2となり、37,200円の負担金が必要となります。区分1は適用はありません。
就労継続支援A型を有料で利用する人とは、世帯収入が市町村民税が課税対象になっている、利用者全体の約1割の方といえます。
利用料金以外にかかる費用
就労支援A型を利用する場合、利用料金以外に掛かる費用は何があるでしょうか。
1. 交通費
就労支援施設を利用する場合、基本的に交通費は実費です。
ただし、A型の場合雇用契約を結ぶので、交通費が支給されるところも少なくありません。
2. 昼食費
昼食費はほとんどの事業所では実費です。
自分でお弁当を用意したり外食など、自分で用意する必要があります。
3. 医療機関にかかるお金
障害者手帳や障害年金をもらっていない場合など、主治医の診断書や受診状況証明書が必要な場合、その費用が掛かります。
診断書の発行費用はその医療機関や項目によって違いはありますが、おおむね5,000円から10,000円程度、受診状況証明書は3,000円から5,000円程度です。
4. その他
そのほか、事業所の仕事内容にもよりますが、被服費や事務用品などの雑費も考えておいた方がいいでしょう。
就労継続支援A型の実働時間と賃金
実際の労働時間は事業所や契約によって違いはありますが、4時間~8時間が一般的です。
週当たりの勤務日数は週3日以上など、雇用契約を結ぶことで、必要な勤務日数が募集条件になっています。
また、配慮はしてくれますが勤怠もきちんとしているところが多いです。
就労継続支援A型の賃金は、実際にもらえる額は事業所や仕事内容によって違いはありますが、原則としてその地域の最低賃金が保証されています。
就労継続支援A型の利用方法
就労継続支援A型を利用したいと思ったときは次のような流れになります。
①主治医と相談する
個々の障害にかかわらず、現在通院中の方はまず、A型で就労できるか主治医と相談し、許可をもらうようにしましょう。
②希望の事業所の求人を探す
主治医の許可が出たら、次は求人探しです。
求人の探し方はインターネットの検索や市区町村の障害福祉課の窓口やハローワークの渉外担当窓口などで紹介が受けられます。
一口にA型作業といっても仕事内容は様々あります。
また、受け入れている障害にも違いがあります。作業所の雰囲気も大切ですね。
興味のある作業所が見つかったら問い合わせをしたり、見学や体験を受け入れているところもありますので相談したりしてみましょう。
③求人に応募する
希望の事業所が決まったら求人に応募します。
応募には一般雇用と同じように雇用契約を結ぶため履歴書や必要書類を送り、面接を受けます。
ハローワークで紹介を受けた求人にはハローワークの紹介状が必要です。
面接後、事業所から採用について結果が通知されます。
④市区町村窓口で利用申請をする
事業所からの連絡の結果、採用が内定したら市区町村の障害福祉課に就労継続支援A型を利用したい旨を申請します。
その後、障害福祉課の担当者からサービス利用についての聞き取り調査があり、サービスの利用が決定します。
また、サービスの利用にあたって『サービス等利用計画書』の作成が必要です。
自身で作成することも可能ですが、難しい場合は特定相談支援事業者に依頼することができますし地域によっては特定相談支援事業者が作成する必要がある場合もあります。
詳しいことは市区町村の障害福祉課の窓口で相談できますので、まずは通所する就労支援A型が決まったら障害福祉課に伝えに行きましょう。
⑤受給者証の発行
必要な書類を提出してサービスの利用が正式に決定したら『障害福祉サービス利用受給者証』(受給者証)は発行されます。
⑥契約、通所開始
発行された受給者証を持って、内定しているA型作業所へ行き正式に契約を結びます。
その後、就労継続支援A型に通所を開始です!
まとめ
就労継続支援A型は障害福祉サービスの1つですが、雇用契約を結んで最低賃金が保証されている、障害がある人の働き方の1つです。
一般企業で働くのは大変だけど、雇用契約を結んで働きたい、最低賃金の保証は欲しいという方には考えてみてもいいと思います。
そんなには働けない、もう少しマイペースで働きたい、という人には就労継続支援B型もあります。
自身の障害や状態にあったより良い働き方を見つけてくださいね。