近年、IT需要の高まりのなかで、ITスキルを持った人材不足が叫ばれていますが、一方でAIなどの先端技術の発達によって淘汰されてしまう可能性のある職種もあります。
そんななかでも、プログラミングスキルを持っていれば、高い給与や高待遇が期待でき、転職をする際にも有利になるため、今のうちに学んでおきたい!と思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、
プログラミングを学んでスキルアップしたい
プログラミングを始めたいけど、何から学べばいいかわからない
効率よくプログラミングを学んで、短期間で結果を出したい
そんな人の疑問に答えていきます。
プログラミング学習を始める準備
プログラミングの具体的な学習方法
学習を効率的に進める方法
学習のモチベーションを維持する方法
短期間でプログラミングを習得するためには、効率よく学習を進めていく必要があります。
本記事では、初心者がプログラミング学習を効率的に進め、最短で結果を出せるようになる方法について解説します。
学習を始める前の準備
プログラミングを始めるにあたって、いくつか準備しておくべきことがあります。
以下の手順で準備を進めていきましょう。
- 目標を設定する
- 適切なプログラミング言語を選ぶ
- 学習環境を整える
目標を設定する
プログラミング学習を始める際に、最も重要なのが目標設定です。
目標を設定することで、プログラミング学習を続けるモチベーションを維持しやすくなります。
具体的には、なぜプログラミングをしたいのか、将来的にどうなりたいのかを明確にしましょう。
たとえば、
「プログラマーに転職してシステム開発をしたい」
「自分でデザインしたWebサイトを作りたい」
「スマホのアプリを作ってみたい」
「会社で行っている業務の効率化をしたい」
など、人によってさまざまな目的があるかと思います。
やりたいことをまずはっきりさせてから、どのように学習を進めていくかを決めましょう。
適切なプログラミング言語を選ぶ
自分のやりたいことを明確化できたら、次はどのプログラミング言語を学ぶかを決めましょう。
プログラミング言語には、Web開発、アプリ開発、機械学習、データ分析など、それぞれ適した分野があります。
自分の目的を達成するためには、どんな言語がふさわしいのか調べてみましょう。
また、趣味ではなく仕事としてプログラミングをしていきたい場合には、今注目されている言語かどうか、ということや、将来的にもその言語の需要があるかについても考慮する必要があります。
現在どのような業界でその言語が必要とされているのか、求人数はどれくらいあるのかなどを調べておきましょう。
初めてプログラミングを学ぶ場合には、学習コンテンツが充実している言語や、学んでいる人が多い言語を選ぶのがおすすめです。
学んでいる人が多ければ、学習していくうえでわからない点があった際に、質問に答えてくれる人も多くなるためです。
以下の表で、初心者におすすめのプログラミング言語とその特徴についてまとめます。
プログラミング言語 | 特徴 |
---|---|
Python | ・AI開発、機械学習、データ分析などで使われる ・コードや文法がシンプルでわかりやすい |
Java | ・システム開発で使われる ・汎用性が高く、求人数も多い |
Ruby | ・Web系のスタートアップ企業のサービスで使われることが多い ・日本語の情報が多く学びやすい |
PHP | ・Web系のスタートアップ企業のサービスで使われることが多い ・WordPressに必須のスキル ・副業やフリーランス向けの求人が多い |
JavaScript | ・Webサービスのフロントエンド開発で使われる ・実行環境の構築が不要なため、初心者でも学びやすい |
Go | ・エンジニアが少なく市場価値が高い ・コードがシンプルでわかりやすい ・将来性が期待される |
C# | ・ゲーム開発で使用される ・複雑な環境構築が不要 |
Swift | ・iPhoneやMacのアプリ開発で利用される ・人気が高い |
Kotlin | ・GoogleがAndroidアプリ開発で推奨している言語 ・人気が高まっている |
HTML・CSS | ・Webサイト開発に必須 ・未経験者や初心者でも学びやすい |
もちろん、ほかにもさまざまな言語がありますが、これらの特徴を参考にして、自分が学ぶ言語を選んでいきましょう。
学習環境をととのえる
目標や学ぶ言語が決まったら、早速プログラミングの学習を始めていきたいところですが、その前に学習環境を整えておきましょう。
基本的なことになりますが、プログラミング学習をするうえでは、まず自分専用で使えるパソコンを準備する必要があります。
最低限、以下のスペックのものを用意しておきましょう。
プロセッサ:Intel Core i5以上
メモリ:8GB以上
ストレージ:SSD 256GB以上
メモリは予算に余裕があれば16GB以上だと、同時に複数の作業をする場合でもストレスなくできるのでおすすめです。
もちろんハイスペックなものを選ぶに越したことはないですが、自分の予算に合わせて決めましょう。
プログラミングの学習方法を徹底解説
ここからは、プログラミングの具体的な学習方法について紹介していきます。自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
無料のオンラインリソースを利用する
Web上には、無料でプログラミングを学べるリソースが多くあります。
プログラミングに初めて触れるという人は、お金をかける前に、まずは無料で学べるものから利用してみるのがおすすめです。
以下に例を挙げていきます。
YouTubeで学習する
YouTubeには、初心者向けのプログラミング学習動画が多数アップロードされています。
具体的な言語の解説動画のほかにも、プログラミングの学習の仕方などを解説している動画もあります。
プログラミング学習では0から1に持っていくときが一番大変だと言われていますが、このような初心者向けの動画を観ることで、すんなりと学習に入っていくことができます。
まずは、こうした動画を観ることでプログラミングのイメージをつかんでいくとよいでしょう。
YouTubeで「初心者 プログラミング」「初心者 〇〇(学びたい言語)」などのキーワードで検索すると、多くの動画が出てくるので、ぜひ試してみてください。
無料で学べるサービスで学習する
YouTubeの他にも、無料で学べる動画教材があります。これらは有料のサービスと連携していることが多いですが、無料で学べる部分も多くあります。
無料のサービスの多くはオンライン上の学習が基本です。動画で解説を観ながら、自分でも手を動かして学習を進めていきます。
プログラミングのための環境構築が不要のものもあるため、気軽に試すことができます。
サービスによっては、さまざまな言語を学ぶことができるので、やりたいことや学ぶ言語が定まらないというときに、概要をつかむためにまず試してみるのもよいでしょう。
以下で、初心者におすすめのサービスの例をご紹介します。
サービス名 | 特徴 | 学習方法 |
---|---|---|
Progate | 環境構築が不要 | スライド |
ドットインストール | 3分動画で気軽に学習 | 動画 |
paizaラーニング | 環境構築不要、3分動画 | 動画、ブラウザ上で実行 |
Schoo | 生配信の授業 | 動画 |
シラバス | 画面をマネしながら学ぶ | テキスト |
CODEPREP | 1冊10分 | スライド |
ShareWis | 90秒動画 | 動画 |
有料の教材を利用する
有料の教材を利用すれば、無料で提供されているものよりも、さらに詳しいことが学べます。
無料で試してみたあとに、本格的にプログラミング言語を学びたいと思ったら、有料の教材にステップアップしてみるのがおすすめです。
有料のWebサービスを利用する
無料で学べるWebサービスである程度の概要がつかめたら、有料のコースに進むこともできます。
無料のコンテンツを提供しているサービスのほとんどが有料のコースを設けています。
無料版を試してみて、良いと思ったら、有料コースに進んでみてもよいでしょう。
書籍を読む【おすすめの学習本をご紹介】
自分が学びたいプログラミング言語がどのようなものか雰囲気がつかめて、さらに深く学びたいと思ったら、市販されている書籍を使って、それぞれの言語の学習を進めていくのがよいでしょう。
また、書籍ではプログラミングの考え方そのものを解説しているものもあります。
今回は初心者向けに、プログラミングの考え方が書かれた本をご紹介します。
ちゃんと使える力を身につける Webとプログラミングのきほんのきほん
PHPやJavaScriptを使用したWebプログラミングを取り上げながら、プログラミングの基礎を学ぶことができます。
プログラミング言語全体に共通する仕組みや考え方を学べるので、初めてプログラミングを学習する人におすすめです。
おうちで学べるプログラミングのきほん
ハードウェアやOSのことまで含めた、プログラミングに関する基本的なことを、実践的なワークを通して学ぶことができます。
JavaScriptやC言語などの解説も簡単に載っており、プログラムが動く仕組みを手軽に体験することができます。
初心者の入門用としてはもちろん、バグが発生する仕組みなど、学習を進めていった先でプログラムに困った際にも助けになる本です。
これからはじめるプログラミング基礎の基礎
コンピュータに関する基礎知識や、プログラミングの必要性についての説明があり、プログラミング初心者が読む定番書です。
日常生活の身近なものを例にした説明など、まったく知識のない人にもわかりやすく書かれています。
「プログラミング学習を始めたいけど、何から手をつけたらいいのかわからない」という人におすすめです。
コミュニティに参加する
プログラミングを学ぶのに、学習を目的としたコミュニティに入るのもおすすめです。
学習を進めていくなかで何かわからないことがあった時に、コミュニティのメンバーに相談に乗ってもらったり、お互いに情報交換をすることもできます。
勉強する仲間がいることにより、モチベーションを維持できます。
また、人脈が広がることで、将来的に仕事につながることもあるでしょう。
プログラミング学習を効率化する方法
プログラミングを学ぶうえで、特に社会人などのあまり時間がない人にとっては、効率的な学習方法が欠かせません。
ここからは、プログラミング学習を効率化する方法についてご紹介します。
継続的に学習できるような環境づくりをする
プログラミングに限らず、何かを学んでいくうえでは、継続するということが最も大切です。
継続的に学習できるような環境づくりをすることで、学習を効率化することができます。
たとえば、毎日決まった時間にパソコンの前に座る習慣をつけるところから始め、時間を決めて学習をするとよいでしょう。
いつまでにこれを習得する、というような目標を立てて、そこから逆算して計画を立てることによって、毎日すべきことがわかります。
また、プログラミング学習のコミュニティに参加して、一緒に学ぶ仲間をつくることも効果的です。
勉強会などに積極的に参加して、学習のペースをつくっていきましょう。
コードレビューを活用する
プログラミング学習では、自分の書いたコードを随時見直していくことが必要です。
しかし、独学では間違いに気づけないことが多く、わからないことがあった場合でも、初心者のうちは特に、うまく解決できずにつまずいてしまいがちです。
そんなときには、コードレビューを活用することがおすすめです。
コードレビューとは、自分が書いたコードを他の人に見てもらって、それに対するフィードバックをもらうということです。
一緒に学ぶ仲間や先輩に見てもらう方法もありますが、オンライン上で依頼することもできます。
コードレビューを活用すれば、自分のコードについて客観的な評価が得られ、それに応じた学習をすることで、効率的にプログラミングを習得できるでしょう。
効果的に復習する
プログラミング学習をするうえでは、学んだ内容を定期的に復習することが必要です。
教材やコースのとおりにプログラミング学習をしていても、前回やった内容を忘れてしまっては意味がありません。
効率的に学習を進めるためには、復習の効果が最大になるように、ペースを決めましょう。
たとえば、人間の記憶に関する研究では、ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスが提唱した「エビングハウスの忘却曲線」が有名です。
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが提唱した、特に中期記憶(長期記憶)に対する時間の経過と記憶の関係を表した曲線のことをいいます。
人の記憶は「時間が経つほど忘れてしまう」ものです。
エビングハウスはこの時間と記憶の相関関係における実験を行い、
1日後には74%
一般社団法人 日本経営心理士協会
1週間後には77%
1か月後には79%
の記憶を忘れてしまうことを、この忘却曲線にて示しました。
このように、学習した内容を復習せずにいると、人はすぐに忘れてしまいます。
しかし、記憶が減少してしまうタイミングで復習をおこなった場合、再び学習内容を覚えるまでの時間は短くなります。
何度も復習をおこなうことで、次に覚えるまでの時間を短縮でき、効率的に学習を進めることができます。
ペアプログラミングに挑戦する
プログラミング学習をするうえで、「ペアプログラミング」という方法もあります。
ペアプログラミングとは二人のプログラマーが一つの端末を使用して協力してプログラミングをおこなうことです。
初心者がプログラミングを学ぶうえで、ペアプログラミングには以下のようなメリットがあります。
- 学習スピードが上がる
- ペア相手から新しいアイデアや知識を得られる
- コードの品質が上がる
- 開発を進めていくうえでのコミュニケーション能力が上がる
ペアプログラミングを一緒にしてくれる相手をつくるには、会社に経験のある先輩がいればその人にお願いしたり、オンライン上のコミュニティで仲間を見つけるとよいでしょう。
「プログラミングやめた!」を回避する方法
繰り返しになりますが、プログラミングを習得するために最も重要なことは、継続するということです。
人間には誰しも怠け心がありますが、それに打ち勝つ工夫をすることで、「プログラミングやめた!」となってしまうことを回避しましょう。
ここからは学習を途中で諦めることなく、継続していく方法について考えていきます。
時間管理をする
プログラミング学習をやめずに続けていくためには、学習の時間管理をすることが大切です。
時間管理というと、毎日しっかり学習内容の計画を立てたり、同じ時間に学習をしなければならないと思い、憂鬱になってしまうこともあると思います。
しかしここで、その心理を逆手に取った裏ワザをご紹介します。
それは「勉強禁止」の時間をつくるということです。
たとえばゲームが大好きな小学生に「宿題が終わるまでゲーム禁止」や「ゲームは1日1時間まで」というような制限を加えたらどうなるでしょうか?
おそらくゲームをしたい気持ちがより強くなってしまうでしょう。そしてその結果、かえってゲームに依存をしてしまうことになりかねません。
そこで、プログラミングを学習していくことを決めたなら、逆にこの時間以外は「プログラミング禁止」「プログラミング学習は1日1時間まで」という制限を設けてみましょう。
あらかじめ、予定時間以外には絶対に学習をしないと決めれば、自然とその時間に学習するようになります。
ここで重要なのは、その予定時間に学習をできなかった場合でも、絶対に他の時間に学習しないということです。
なかなか時間を決めて学習できないという方は、ぜひ試してみてください。
モチベーションを維持する
プログラミング学習を途中でやめずに、継続していくためには、モチベーションを維持することも重要です。
プログラミング学習の初めに立てた目標を思い出してみましょう。
プログラミングを習得することで、自分が将来どうなりたいか、プログラミングをすることで何をしたかったのか、を常に頭に思い浮かべておきましょう。
手帳に目標を書いたり、パソコンのデスクトップの見える場所に、自分を鼓舞するような言葉を貼っておくことも一つの方法です。
また、適度に休息を取ることも重要です。
人間には誰しもバイオリズムがあり、どうしても学習に集中できない日や、やる気が出ない日もあります。
そんなときは、思い切って別のことをして気持ちをリフレッシュさせましょう。
時には、好きな音楽を聴いたり、マッサージを受けたり、カフェなどでぼーっとしたり、自分の好きな方法で気分転換をしていくことも大切です。
まとめ:学習を楽しむことが一番の近道!
本記事では、初心者が効率的にプログラミング学習をするための方法についてご紹介してきました。
初心者からプログラミングを学ぶということは、とても大変なことでもありますが、とても楽しい道のりです。
自分が思うなりたい姿を思い浮かべて、プログラミングそのものを楽しみながら進めていくことが、何よりもプログラミング習得への近道となります。
ぜひ、参考にしてみてください。